『数Ⅲ方式ガロアの理論』のガイドブック

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数Ⅲ方式ガロアの理論(その38)

 現在2021年7月2日18時17分である。(この投稿は、ほぼ3522文字)

麻友「真面目に、ガロアやってる」

私「これも、愛読書ナンバー3なんだから、徹底的に、読み込む」

麻友「前回の最後に、『『佐々木君がさっき実演したように』のところの、さっき、がどこなのか、分からなかったんだけど、次回教えてね』と、言っておいたけど、見つけてくれた?」

私「この本は、数学の本なんだけど、数式番号が振られてないので、『さっき実演した』とか言われても、どこなんだか分からず、非常に苦労する。この第2章を読むときも、徹底的に指示語の指すものを、チェックしながら読んだから、大丈夫だよ。私のテキストに、『さっき実演』にアンダーラインを引いて、『P.16 組立除法』と、メモしてある」

若菜「組立除法(くみたてじょほう)って、この章の最初ですよね」

結弦「あっ、そうか。ひとつでも根が見つかれば、組立除法で、因数分解して、1次式と2次式との積になるんだ」

麻友「章の最初が、さっき?」

私「この本には、振り回されるから、これくらいは、慣れっこになるよ」

麻友「じゃあ、始めるわよ」



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広田 これしか手掛りはないだろう.

 未知数 {u,v} についての方程式

  {(u+v)^3+p(u+v)+q=0}

一組の根がみつかれば,最初の3次方程式は解ける,という方針が立つ.

小川 根の和は初めの方程式の根ですから,佐々木君がさっき実演したように,初めの方程式は1次式と2次式との積に因数分解されるからですね.

佐々木 やっぱり,因数分解にもどるじゃない.でも,この方程式を解くのは難しそうだな.

広田 方程式を解くというのは,すべての根を求める事だな.その意味では,難しいだろう.しかし,さっきもいったように,少なくとも一組の根がみつかればよいのだから,話は簡単だ.

佐々木 どうして.

広田 未知数が二つだから,一方を消去して他方だけの方程式に還元させる──という原則があるだろう.ところが,全部ではなく少なくとも一組の根がみつかればよいのだから,かなり自由に未知数を消去できる.

小川 {u}{v} とを適当な関係で結びつけ,一方を他方で表して,解き方を知っている方程式に導くのですね.

広田 その方針で行ってみよう.{u}{v} とを結びつける関係としては,何が浮かぶ.

小川 文字の計算では,加法と乗法とが基本ですから

{u+v=}定数  とか  {uv=}定数

とかですね.

佐々木 第一の関係はダメだよ.右辺の定数をみつける事は,もとの3次方程式にもどる事だから.

広田 第二の関係はどうだい.

小川 適当な定数があるかどうか,方程式の左辺を展開してみます.この関係が出てくるように注意して変形します.

   {(u+v)^3=u^3+3u^2v+3uv^2+v^3}
        {=u^3+3uv(u+v)+v^3}

ですから

   {u^3+v^3+(3uv+p)(u+v)+q=0}

と変形されます.それで

   {3uv=-p}

という関係が考えられますね.



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結弦「その3次式は、どこから出てきたの?」

麻友「これくらいは、ノーコメントで素通りしても、良いくらいに、ゼミのレヴェルを上げなきゃならないんだろうけど、私自身が、困っちゃったのよね。でも、1ページ前を見ると、

  {(u+v)^3+p(u+v)+q=0}

という式が、あるでしょ。小川君は、これを、展開して行ってるのよ。

{(u+v)^3+p(u+v)+q=u^3+3uv(u+v)+v^3+p(u+v)+q}

{=u^3+v^3+(3uv+p)(u+v)+q=0}

とね」

若菜「お母さんも、努力してるんだ」

麻友「誰かさん。数学の話を聞いてあげないと、がっかりするから」

若菜「いっそ、ゼミ、サボっちゃいましょうか?」

麻友「アイドルは、綺麗なところだけ見せるもの、なんて、格好つけなきゃ、良かったかな?」

私「誤植では、ないのだが、余りにも、古い版を重ねて使っているので、活字がいくつも、欠けたり、ゴミが入ったりしている。テキスト24ページの9行目、『佐々木 どうして.』の『て』の活字が、欠けている。11行目、『ところが,』の『,』が、すり減って『.』みたいになってしまっている」

結弦「お父さん、そんなのまで、カウントしてる?」

私「気が向いたらね」

若菜「襟を正せって、ことですかね?」

麻友「先、進めるわよ」


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   {u^3+v^3+(3uv+p)(u+v)+q=0}

と変形されます.それで

   {3uv=-p}

という関係が考えられますね.

佐々木 これは使える.この関係から {v}{u} で表わすと

  {\displaystyle v=-\frac{p}{3u},}

これを,もとの方程式に代入して

  {\displaystyle u^3-\frac{p^3}{27u^3}+q=0}

つまり

  {\displaystyle (u^3)^2+qu^3-\frac{p^3}{27}=0}

となって,解ける方程式に導けるよ.大成功だ.

小川 チョッと,気になるナ.

佐々木 何が.

小川 {u} で割るところ.連立方程式

{\left\{
\begin{array}{l}
\displaystyle
u^3+v^3=-q\\
\displaystyle uv=-\frac{p}{3}
\end{array}
\right.
}

を解くわけだけど,この根は連立方程式

{\left\{
\begin{array}{l}
\displaystyle
u^3+v^3=-q\\
\displaystyle u^3v^3=-\frac{p^3}{27}
\end{array}
\right.
}

を満足するから,{u^3}{v^3} とは2次方程式

{\displaystyle t^2+qt-\frac{p^3}{27}=0}

の根でしょう.こう考えると,{u}{0} かどうかを気にしなくてもスムんだけど.

佐々木 どっちにしても,最後の2次方程式は同じ形だよ.


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結弦「えっ、3次方程式が、解けたの?」

麻友「そうなのよ」

若菜「割り算したり、割り算しなくてスムとか、何言ってるか、良く分からないのですけど」

私「今日の最後のところは、かなり難しい。というか、ここをクリアするために、人類の数学は、16世紀の1535年頃までかかった。聞いてすぐ分かる天才は、いるはずない。安心して、ゆっくり今日の話を、記憶に定着させて欲しい。次回、丁寧におさらいする」

麻友「太郎さんの数学の力は、確かに凄い。私でも、そばにいるだけで、方程式というものが、どういう風にして、解かれてきたか、分かるもの」

私「本当に、そう思ってる?」

麻友「数学やるのは、半分、鬱陶しい。でも、数学の魅力も分かりだした。私に数学を教えられるのは、太郎さんだけ。だったら、利用してみようかなと、思う」

私「麻友さんが、引退して、1年経って、ほとんど信号もなくて、最近、麻友さんに、本当に振られたのかな? と、ちょっと感じだした。普通の人なら、このまま、フェードアウトするのだろう。私達は、どうなるだろうね。それは、2人で決めること。恋愛は、1人では成立しないからね」

麻友「今晩は、これで、おやすみなさい」

若菜・結弦「おやすみなさーい」

私「おやすみ」

 現在2021年7月2日21時38分である。おしまい。

数Ⅲ方式ガロアの理論(その37)

 現在2021年6月18日17時58分である。(この投稿は、ほぼ5987文字)

麻友「しばらく、ガロアは、おやすみだったわね」

私「4月16日以来だから、2カ月ブランクがあった。前回、私以外にも、この本のことを、色々書いている人がいると、紹介したのだった」

www.ne.jp

麻友「これは、利用させてもらいたいわね」

若菜「前回の、


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広田先生は将棋が好きなので、いろいろなことを将棋になぞらえる。 きっと著者の矢ケ部氏も将棋が好きなのだろう。それがわかるところがある。 22 ページ、下から9ページに「定跡」ということばが出てくる。うまくいく方法、という意味だが、 将棋の場合にのみこの字を当てる。 普通は「定石」を使う。こちらは囲碁の場合に使い、また一般の用法に転用されてもいる。


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       (まりんきょ学問所の中の『矢ヶ部 巌:数Ⅲ方式 ガロアの理論』のページより)


の中の、『22ページ、下から9ページに』は、

◯ 22ページ、下から9行目に

✕ 22ページ、下から9ページに

ですね」

結弦「おっ、獲物があった」

麻友「始めるわよ。前回の復習」



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             連立方程式への変形


小川 {3} 次方程式

{y^3+py+q=0}

の三根を {\alpha,\beta,\gamma} とすると

{\left\{
\begin{array}{l}
\displaystyle
\alpha + \beta + \gamma=0\\
\alpha \beta +\beta \gamma +\gamma \alpha =p\\
\alpha \beta \gamma =-q
\end{array}
\right.
}

ですね.

佐々木 これを {\alpha,\beta,\gamma}連立方程式と考えて解くといいわけだ.連立方程式を解く定跡どおりに,つぎつぎと未知数を消去していく.第一式から

{\gamma=-(\alpha+\beta),}

これを,あとの二つの式に代入すると

{\left\{
\begin{array}{l}
\displaystyle
\alpha \beta -(\alpha+\beta)^2=p\\
ー\alpha \beta (\alpha+\beta)=ーq
\end{array}
\right.
}

つまり

{\left\{
\begin{array}{l}
\displaystyle
\alpha^2+\alpha \beta+\beta^2=-p\\
\alpha^2 \beta +\alpha \beta^2=q
\end{array}
\right.
}

と,まず {\gamma} が消去される.


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麻友「ここから、新しく、テキスト23ページ」


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 つぎに,{\beta} を消去する.第一式に {\alpha} を掛けた式から,第二式を引くと

  {\alpha^3+\alpha^2 \beta +\alpha \beta^2=-\alpha p}

ー)   {\alpha^2 \beta+\alpha \beta^2=q}
──────────────────────────────────────
  {\alpha^3~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~=-\alpha p-q}

つまり

  {\alpha^3+\alpha p+q=0.}

 なんだ,もとの方程式にもどってしまったよ.

小川 それはアタリマエですね.{\alpha} は初めの方程式の根なのだから.

広田 その通りだ.2次の場合でも,連立方程式から未知数を消去して行けば,最初の2次方程式に返る.

 連立方程式に直して解くのが有効なのは,係数の間に特別な関係があって,根の公式を使わないで簡単に解ける場合だけだ──といったろう.

佐々木 ぼく,ダメな奴.


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麻友「ここなんだけどね。もとの方程式にもどってしまった、というのが、なかなか、分からなかったのよ」

若菜「ああ、{\alpha} についての3次方程式なんて、出てきたばっかりだし」

私「確かに、高校の文系の女の子なんて、ほとんどが、そのレヴェルだと思う。だから、今回、敢えて取り上げた」

結弦「お母さん、なかなか、分からなかった、ということは、後では、分かったの?」

麻友「何度も、この節を、読み返したの。そうすると、もとの方程式とは、

{y^3+py+q=0}

のことのようなのよ。そう思ってみると、

{\alpha^3+\alpha p+q=0}

は、未知数の {y}{\alpha} の違いはあるけど、係数は同じよね。掛け算は、順番変えてもいいわけだし」

私「そういうことなんだよ。未知数にどんな文字を使っても、方程式として同じ、というのが、ここでは、重要な位置を占めている。未知数の文字が違うために、意味が変わる場合もあるが、今の場合は、麻友さんの理解で、正しい」

若菜「未知数の文字が違うために、意味が変わるとは、例えばどんな場合?」

私「これは、以下の『公理論的集合論』での、ローカルルールだけど、『小文字の {x} は、集合を表す。大文字の {X} は、一般にクラスを表し、集合とは限らない』という約束をしている。このルールは、便利で、ベルナイス・ゲーデル集合論で、証明が厄介な、『一般存在定理』というものの証明が、半分くらいの労力で、できてしまう。私の、NKとBGの要約、でも、使っている」


倉田令二朗・篠田寿一『公理論的集合論』(河合文化教育研究所)


若菜「{a} と、{A} も、違うんですね」

私「そう。余り一般的なものではないから、このルールを使うときは、初めにことわる必要があるけどね」


麻友「でも、私、これに気付いたとき、分かったんだ。太郎さんは、中学3年生で、3次方程式を解こうとしていて、同じように連立方程式を立てて、未知数を消去していって、初めの方程式に戻ってしまって、『あれっ、最初に戻っちゃった。この方法では、だめなんだ』と、思ったことが、あったのだろうなと。太郎さんが、3次方程式を解けるようになるのは、高校1年生でのこと、太郎さんって、いっつも沢山の問題を飼っているのね」

結弦「例えば、今、飼っている問題って、1つ教えてよ」

私「例えば、そうだな。『数学をつくった人びとⅠ・Ⅱ・Ⅲ』という本がある。これには、5次方程式は、代数的には解けないが、代数的に拘らなければ、楕円モジュラー関数というものを、使って解けると、書いてあり、さらに、一般の {n} 次方程式は、保型関数というものを用いて、解けると、書いてある。エルミートの章だ。この保型関数というものについては、日本語の文献が、ほとんどない」

E・T・ベル『数学をつくった人びとⅠ・Ⅱ・Ⅲ』(ハヤカワ文庫)

私「英語では、automorphic function(オートモルフィック ファンクション)と言い、日本人の志村五郎が、プリンストン高等研究所で、研究していたようだ。ただ、本人が、2019年に亡くなっている。私は、以下の文献のみ持っているが、役に立つかどうか、分からない」


志賀弘典(しが ひろのり)『保型関数』(共立出版 数学の輝き10)


結弦「つまり、一般の {n} 次方程式の解を見たい、という問題を、飼ってるってことなんだね」

私「そうだ」

麻友「今すぐだって、分かるかも知れないのに、問題を飼ってるなんてね」


私「ところで、本文の、『ぼく、ダメな奴』なんだが、マカロニ・ウエスタンの西部劇の映画『続・夕陽のガンマン』の最後に、決闘した後3人が、『俺、ずるい奴』、『俺、いい奴』、『俺、悪い奴』という部分があって、1966年日本公開で、あのクリント・イーストウッド主演の有名な映画だった。矢ヶ部さんが、意識して書いた可能性は、高い」

結弦「イーストウッドが、マカロニ・ウエスタン?」

私「知らないんだろうな。クリント・イーストウッドって、マカロニ・ウエスタンで、バンバン撃ちまくってた役者だったんだよ。でも、成長したよねえ」

麻友「確かに。じゃあ、私達も、成長しましょう。始めるわよ」

若菜・結弦「はーい」


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広田 この場合にも「特別な関係」を利用するしか手はない.あるだろう.

佐々木 トクベツな,トクベツな──と.

  {\alpha +\beta +\gamma =0}

だな.これは {p,q} とは無関係に何時でも成立する「特別な関係」だ.

 でも,どう利用するの.

小川「これから

  {\gamma=-\alpha -\beta}

で,{\gamma} は初めの3次方程式の根だから

 {(-\alpha -\beta)^3+p(-\alpha -\beta)+q=0.}

 2次方程式から根と係数との関係を求め,逆に,それを連立方程式と考えて解いたように──これを {\alpha,\beta} の方程式と考えて解くのですか.

佐々木 これだって,もとの3次方程式とあまり違わないじゃないか.

広田 これしか手掛りはないだろう.

 未知数 {u,v} についての方程式

  {(u+v)^3+p(u+v)+q=0}

一組の根がみつかれば,最初の3次方程式は解ける,という方針が立つ.

小川 根の和は初めの方程式の根ですから,佐々木君がさっき実演したように,初めの方程式は1次式と2次式との積に因数分解されるからですね.


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麻友「ここまででも、?マークが、いっぱいなのよ」

私「聞いてごらん。どんどん」

麻友「例えば、

 {(-\alpha -\beta)^3+p(-\alpha -\beta)+q=0.}

で、{-\alpha} とか、{-\beta} だったのに、なぜ、

  {(u+v)^3+p(u+v)+q=0}

では、{u=-\alpha} とか、{v=-\beta} みたいに、置いているの?」

私「ここ、3次方程式を、勉強するとき、最初に躓くところなんだよね。中学3年生で、百科事典で、調べたときも、いきなり、『{x=u+v} と置いて、{u,v} についての方程式とみて、解く』みたいに書いてあって、『なぜっ?』って、分からなかった。結論から言うと、3次方程式を、最初に解いた、フェローか、フォンタナが、『そうやったら、上手く解けちゃった』ということなんだよ。有史以来、3千年くらい解けなかった、3次方程式が、1535年頃、偶然、こうやったら、解けちゃったんだよ。でも、偶然解けた場合でも、人間は、理由が気になる。そこで、矢ヶ部さんは、{\gamma=-(\alpha+\beta)} という変形をして、見つけたんじゃないか? と、ここに、書いてみたんだよ」

麻友「えっ、矢ヶ部さんの説だと言うの?」

私「数学の文献、今まで、沢山見てきたけど、いきなり、『{x=u+v} と置いて』と書いてある文献が、ほとんど。高校2年で、矢ヶ部さんの動機付けを見たけど、私は、偶然見つかったという方が、ありそうな気がする。数式いじってて、偶然解けちゃうということ、私には、今まで、何度もあるから」

結弦「例えば?」

私「{x^2=i} という方程式のときや、{i^i=?} という問題や、そもそも、試験問題って、色々やっていくうちに、解けるものじゃない」

若菜「色々やっていくうちに、解けるんだ。お父さんの、エデュカっていう塾の、面接で落とされたのも、ただ思い付いちゃっただけで、理由なんてなかったから、『どうして判別式使ったんですか?』と聞かれて、答えられなかった。そういう人なんだ。お父さんって、本当に」

麻友「でも、太郎さんに、矢ヶ部さんの説なんだと聞いて、私、視界が開けた。はしがきに、『可能な限り,原典にあたっている.それらの論文には「足場」は残されていない.演出者が代われば,別なドラマが展開されよう』と書いてあって、どういうことか、分からなかったのよね。太郎さんの演出だったら、『偶然 {x=u+v} と置いたら、上手く行った』とするかも知れないのね」

私「数学の面白さ、またちょっと、味わったんじゃない? 今晩は、ここまでにしよう」

麻友「もうひとつ、『佐々木君がさっき実演したように』のところの、さっき、がどこなのか、分からなかったんだけど、次回教えてね」

私「じゃあ、解散」

 現在2021年6月18日22時24分である。おしまい。

数Ⅲ方式ガロアの理論(その36)

 現在2021年4月16日19時56分である。(この投稿は、ほぼ3373文字)

麻友「これは、どういうこと? 私の誕生日までに、何らかのものを作ると、言いながら、何もできなかったじゃない」

私「新型コロナウイルスが、収まるかのように見えて、分子生物学を、切り捨てられるかと思ったのも束の間、緊急事態宣言が、発令され、ポートへ行かれなくなった。家にいる日が多くなって、ガロアのブログを沢山書けるかと思いきや、家にいるとだれてくるので、マックへ行く日が多くなり、今度は、ハンバーガーばかり食べていたために、血液検査で、中性脂肪が多いと、出てしまった」

麻友「悪いことばっかり?」

私「良いことも、あった。半年くらい前から、冷たい水や、缶コーヒーを、飲むと、ちょっとしみる歯があったんだ。それが最近、頭痛を伴うほどになってたんだ」

麻友「渡邊歯科に、行った話ね」

私「そう。漢字もバッチリ」

若菜「お母さんの方は、渡邉さんなんですね。今、気付きました」

結弦「2042年の世界では、難しい漢字は、QRコードみたいにして、スキャンするんだ。だから、自分の名前でも、難しい漢字と、易しい漢字のある人は、易しい方しか書けなかったりする」

私「若菜も、結弦も、麻友も、太郎も、全部、常用漢字だ。麻友さんの麻と、結弦の弦だけが、中学までで習う漢字だけど、それ以外は、全部、小学校で習う。分かり易い名前の家族だよなあ」

麻友「それで、歯はどうなったの?」

私「最初は、あまり気楽に、歯医者に来ないように、痛くされたのかも知れないけど、3回目くらいから、以前と同じように、痛いという感触を忘れるほどになった」

若菜「そう言っているという事は、まだ通院中?」

私「そう」

結弦「じゃあ、まだ分からないな。でも、痛くなくなったということは、お父さんに取っては、治ってきてるんだろうね」


私「それで、色々ブログの方も、お膳立てして、ガロア分子生物学を、同時進行できるように、持って来たんだよ」

麻友「努力は買う。でも、3カ月は、長い」

私「怒らないで、ここで、始めてよ」

麻友「分かった。じゃあ、若菜、結弦も、いいわね」

若菜・結弦「はい」

麻友「テキスト22ページの真ん中から」


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             連立方程式への変形


小川 {3} 次方程式

{y^3+py+q=0}

の三根を {\alpha,\beta,\gamma} とすると

{\left\{
\begin{array}{l}
\displaystyle
\alpha + \beta + \gamma=0\\
\alpha \beta +\beta \gamma +\gamma \alpha =p\\
\alpha \beta \gamma =-q
\end{array}
\right.
}

ですね.

佐々木 これを {\alpha,\beta,\gamma}連立方程式と考えて解くといいわけだ.連立方程式を解く定跡どおりに,つぎつぎと未知数を消去していく.第一式から

{\gamma=-(\alpha+\beta),}

これを,あとの二つの式に代入すると

{\left\{
\begin{array}{l}
\displaystyle
\alpha \beta -(\alpha+\beta)^2=p\\
ー\alpha \beta (\alpha+\beta)=ーq
\end{array}
\right.
}

つまり

{\left\{
\begin{array}{l}
\displaystyle
\alpha^2+\alpha \beta+\beta^2=-p\\
\alpha^2 \beta +\alpha \beta^2=q
\end{array}
\right.
}

と,まず {\gamma} が消去される.


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私「ちょっと、ストップ」

結弦「えっ、お父さんが?」

若菜「まだ、結果も出てませんけど」

私「若菜は、4月から高校2年生だったな。結弦は、中学3年生だな」

若菜・結弦「はい。そうですけど」

結弦「中学3年生だと、どうなるの?」

私「私が、中学2年生か3年生の頃、2次方程式の解き方を習ったのだから、次は、3次方程式を解きたい。それで、百科事典(本当に紙の33巻くらいの平凡社の)で、3次方程式と調べたのだが、1の3乗根とか使って、解法が書いてあって、解き方が分からない。多分、この後すぐ、若菜も、結弦も、これ本当に解き方なのかなと、思うだろう」

若菜「それで、お父さんは、先生に、聞いた?」

麻友「太郎さんの、自慢話なのよ。太郎さんは、先生には聞かずに、多分、自力で解こうとしたのよ。この後、挑戦していた佐々木君が、失敗するの。太郎さんは、『私も、同じ失敗をしたんだ』と、格好つけたいのよ」

結弦「じゃあ、お母さんも、計算していって、失敗したの?」

麻友「私は、本をなぞっただけ。でも、ここは、太郎さんに、質問しまくりたいわ」


私「お互い、作戦タイムを、取ったわけか。今日は、ここまでで、終わりにしようと思うのだが、実は私以外にも、この本を読み込んでいる人が、何人かいて、こんなページを、持っていたりする」

www.ne.jp

若菜「どんな方なんですか?」

私「このページのツリーを元まで辿ると、このページである」

www.ne.jp

私「ここから、読んだ本の記録ー>410数学ー>ガロア理論ー>数III方式ガロアの理論 と、辿れる」

麻友「えっ、数学だけじゃなくて、もの凄く、幅広いわね」

私「そうなんだ」

若菜「とても、かなわないですね。それで、この人を、取り上げたのは?」

私「このまりんきょさん。本名 丸山 智(まるやま さとし)さんが、矢ヶ部巌さんは、将棋がお好きなのではないかと、書かれているんだ。2つ挙げた上の方のリンクで、ガロア理論の全29章が終わった後、


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広田先生は将棋が好きなので、いろいろなことを将棋になぞらえる。 きっと著者の矢ケ部氏も将棋が好きなのだろう。それがわかるところがある。 22 ページ、下から9ページに「定跡」ということばが出てくる。うまくいく方法、という意味だが、 将棋の場合にのみこの字を当てる。 普通は「定石」を使う。こちらは囲碁の場合に使い、また一般の用法に転用されてもいる。


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       (まりんきょ学問所の中の『矢ヶ部 巌:数Ⅲ方式 ガロアの理論』のページより)


と、記述している。確かに ATOK に入っている辞書でも、電子辞書でも、将棋や囲碁を離れて昔からの経験で良い方法を、じょうせきと言うときは、『定石』と言うらしい。それを、方程式を解くときの定跡というのは、将棋がお好きなのだろうと、思えて当然だね」

麻友「この本を、大事に読んでいる人が、何人もいる。しかも、この人のページには、各章の面白い伏線や、言葉の遊びが、取り込まれているわね。今後吸収させてもらいなさいよ」

私「そのつもりだ」

結弦「今日は、もう、22時48分だ。寝るべきだよ」

若菜「お父さんも、盛り上げようと、頑張ってるのね。軌道に乗せなきゃね」

麻友「じゃあ、おやすみ」

若菜・結弦「おやすみなさーい」

私「おやすみ」

 現在2021年4月16日22時51分である。おしまい。