現在2020年7月9日18時04分である。
麻友「太郎さん。昨日、最後の方、眠かったんじゃない?」
私「ばれた?」
麻友「『女の人のところへ来たドラえもん』のブログの
という投稿で、
3次方程式 一般解の理解 1987.9.18
教職数学 代数 が引き金
とあるのに、昨日、
高校1年生の私は、色んな本を見て、遂にカルダノの解法にたどり着く。『代数学辞典 上』問題番号3159 1987年12月29日に制覇したとメモがある
と言ってる」
私「自分でもね、3次方程式が12月だったら、4次方程式はいつだったのかな? と、疑問は、あったんだ。ただ、『代数学辞典 上』に、確かに日付はあるし」
結弦「じゃあ、どっちか、不明?」
私「朝起きたとき、気付いたんだ。『代数学辞典 上』は、サンタさんのプレゼントだったとね」
若菜「あっ、そうか。『教職数学 代数』で、9月に分かったっていうのは、本当で、その後、クリスマスにサンタさんが、『代数学辞典 上』を、持って来てくれて、12月29日に、お父さんが、カルダノの解法を、改めてチェックしたということなんだ」
麻友「だとすると、
4次方程式 フェラリの解法の理解 1987.11.27
というのも、本当なのね」
私「歴史家が、『こういう記述があるから、この科学者は、これを、このときには、発見していただろう』、などと推測するけど、自分のことですら、間違えるんだから、科学史なんて、当てにならないね」
私「あっ、ごめん。麻友さん。大丈夫?」
麻友「えっ、どうしたの?」
私「さっき、母の所へ、生活費をもらいに行ったとき、冷凍のチャーハンを、もらったんだ。マックで、数学やって、そのとき使ったペンケースがリュックに入ってたけど、短い時間だから大丈夫だろうと、ペンケースの上に、チャーハンを乗せていた。家に帰って『発見・新たに知った事』のノートをつき合わせてブログ書き始めて、忘れてたんだ」
結弦「じゃあ、びしょびしょ?」
若菜「水も滴るいい女ですか」
私「確かに、新しいのもあるかもしれないけど、きちんとした作りになってる。糸もほつれてないし、写真も剥げてきたりしてない」
麻友「私が、一針一針、千人針のように、心を込めて縫ったんだから、冷凍チャーハンくらいでは、びくともしないわよ」
私「大事にするからね」
麻友「じゃあ、ガロア、始めるわよ」
私「分かった」
麻友「テキスト17ページ下から7行目からだけど、下から8行目から始めるわよ。
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佐々木 ぼく,オッチョコチョイな奴.
小川 根の公式は,どうなるのですか.
広田 どうなるかな──それを考えてもらう.
佐々木 考えろって.どういう風に.
広田 経験を生かせ.
佐々木 因数分解する方法しか経験してない.でも,それは通用しないよ.
広田 新しい問題に直面したら似た問題を思い出す.あるだろう.
小川 2次方程式の解法ですか.
2次方程式解法の反省
広田 2次方程式の根の公式は,どうやって見つけたか──反省しよう.
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結弦「あっ、ストップ」
私「気付いたな」
若菜「あっ、これですね。
『25回くらい、『反省しよう』『戻って考えよう』『これは、出て来たな』などと、どこまで戻って良いのか困る場面が、ある』
とお父さんが言ってたの。記念すべき1回目ですね」
麻友「ここが、1回目だったのね。ノーマークだったわ。続けるわよ」
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佐々木 が実数のとき,2次方程式
の根の公式だね.
定数項を右辺に移項すると
両辺に を掛けると
両辺に を加えて,左辺を変形すると
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若菜「その式変形、許されるのですか?」
私「文系の高校卒の麻友さんが、分からない、式変形は、しないのだったな。麻友さん。補ってごらん」
両辺に を加えて
ここで、先を見越して、展開して左辺になるものを、見つけるの。
上の式の左辺になってるわね。だから、
となる。太郎さんが、全部計算しろというから、大変なのよ。
私「良く予習してきたね。もうちょっとで、今日は、許してあげよう。
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だから
これから
広田 感心,感心.入学試験に出したら,結果はサンザンだった──という話を聞いた事がある.さすが,現役だけの事はある.
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私「今日は、ここまでに、しよう。頑張ったね」
麻友「って、いうか、学校で習ったのと、式変形が違う」
私「そうだね。学校では最初に、 で、両辺を割るだろう。
そして、左辺を、平方完成する。『平方完成』って言葉、覚えてる?」
麻友「完全に飛んでるわ。太郎さんは、どうなの?」
私「辛うじて、使える程度。それで、両辺、変形して、
更に、右辺を変形、
両辺の平方根を、考えて、
最後に、定数を移して、
としたんじゃないかな?」
麻友「それに、近かった。もう今では、完全には覚えてない。とにかく、この本は、まだちょっとしか読んでないけど、こんな違いに拘ってたら、やって行かれないくらい、難しいということが、分かってきたわ」
私「数学を好きになるための本であるだけでなく、数学に強くなるための本だからね」
結弦「2次方程式の解法は、何パターンもあるよ。僕も、いくつか知ってる」
若菜「お父さん、この本を、どのくらいのペースで、読んでいたんですか?」
私「今日、『発見・新たに知った事』のノートを見ていて、
・5次方程式の研究─やっと方針がわかった。2回目半ばなのに─1988.6.10
・5次方程式の研究─ルフィニの証明をほぼ理解─1988.6.25
・5次方程式の研究─2回目終了、いよいよつめにはいる─1988.6.27
と、3カ月くらいで、2回読んでいる。だが、全部の計算はしていない」
結弦「どうして?」
私「この本に書いてあることを、真面目に全部計算しようと思うと、一生かかってしまうという部分があるんだ」
麻友「えっ、そんな話、聞いてなかったわよ。どういうこと?」
私「実際、この本の第8章にある、ブリング/ジラードの標準形というものは、ブリングという人が、半生をかけて計算した式で1786年に発表、ところが、48年後、1834年に、それを知らなかったジラードという人が、苦心の計算で発表。どちらもに敬意を表して、ブリング/ジラードの標準形と、呼ばれるようになった」
結弦「僕たち、そんな討ち死には嫌だな」
若菜「ダ・カ・ラ・! 安倍首相も、ひとつだけ良いことしたって」
結弦「あっ、そうか!」
麻友「10万円の、給付金ね」
結弦「でも、ウルフラムアルファじゃ、駄目だったの?」
麻友「それを、試さない太郎さんじゃないわよ。ねっ」
私「一番易しい形まで持っていって、ウルフラムアルファに、かけたけど、時間内に計算できませんと、突っぱねられた」
若菜「恐ろしい~」
結弦「Mathematica って、ぶっちゃけいくらなの?」
私「45,000円+税だから、今だと、49,500円なんだ」
麻友「2017年は、電子辞書。2018年は、ヒューレットパッカードのパソコン。2019年は、スマホ。そして、今年は、Mathematica なのよね。毎年、どうしても必要なものが、あるのね。やっぱり」
私「私の生活では、5万円を超える買い物は、生活費ではどうにもならない。今回の給付金がなければ、麻友さんにこの本の説明ができなかった」
結弦「この本、そんなに恐ろしい本だったんだ。だから、お父さん、ガイドブックを作らなきゃって、思い立ったんだな」
若菜「『数学ガール/ガロア理論』では、どうなっているんですか?」
私「歴史的アプローチを取らない場合、ブリング/ジラードの標準形なんて、ガロア理論に、必要ないんだ」
麻友「はーっ、それが、分かってて、ひとりの人が、一生かかって計算したものを、パソコン上ででも、計算したい。数学バカも、突き抜けてるわね」
結弦「僕たちも、気をつけて先に進もう」
若菜「種明かしが終わったところで、今日は、お開きにしては?」
私「分かった。解散」
現在2020年7月9日22時01分である。おしまい。