『数Ⅲ方式ガロアの理論』のガイドブック

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数Ⅲ方式ガロアの理論(その56)

 現在2022年1月22日21時52分である。(この投稿は、ほぼ1744文字)

麻友「今日は、マックで、『数Ⅲ方式ガロアの理論』読んでたわね。第19章まで、進んでいる」

私「高校時代、勘違いして、分からなかったところが、かなり分かった。高校時代に、全文写ししていれば、分かったのかなあ? と思うけど、武器が少なすぎたな」

若菜「私達に、説明する前に、最後まで読んじゃって、自信を付けたらどうですか?」

結弦「それが、良いと思うよ」

私「ちょっと、考えてみる」


麻友「変分原理だったわね。合成関数の微分法というものを、教えてくれたけど」

私「前回、


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{\displaystyle y(t)=-\frac{1}{2}gx(t)^2}

を、時間 {t} で、微分するのは、

{\displaystyle \frac{dy(t)}{dt}=-\frac{1}{2}g \frac{dx(t)^2}{dx(t)} \frac{dx(t)}{dt}=-gx(t) \times 1 =-gx(t)}

と、いうことになる。関数の関数を微分するときは、いつもこのような方法を使う。合成関数の微分法と呼ばれる」

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       (『数Ⅲ方式ガロアの理論(その55)』より)

という変形があったね。もっと丁寧に書くと、分母分子に同じものを掛けて、

{\displaystyle \frac{dy(t)}{dt}=\frac{dy(t)}{dx}\frac{dx}{dt}=\frac{d}{dx(t)} \biggl(-\frac{1}{2}gx(t)^2 \biggr)\frac{dx(t)}{dt}}

{\displaystyle =-gx(t)・\frac{dt}{dt}=-gx(t) \times 1 =-gx(t)}

と、計算しているんだ」

麻友「分かったような、分からないような」

私「これが、正しいとすると、{x=x(t)=t} だから、{\displaystyle \frac{dy(t)}{dt}=-gx(t)=-gt} となって、{y} 軸方向の速さが、{-gt} だから、時間に比例して、{1} 秒ごとに、下向きに、{g} ずつ速くなっている。つまり、1秒間に、{g \times 1s=9.8\mathrm{m/s}} ずつ、速くなっている。この1秒間に速くなるスピードの割合を、加速度と言うんだ。地球表面での、加速度を、重力加速度という。そして、これが、実際の放物線として現れてくるのだから、ここまでの計算は、正しいと見て、間違いない」

結弦「計算は複雑だけど、言っていることは、分かる」


私「それで、一応ラグランジアンだ。

{\displaystyle L=T-U=\frac{1}{2}m(v_x^2+v_y^2)-mgy(t)}

となる。ここで、{v_x=1,v_y=-gx(t)} だから、作用は、

{\displaystyle S=\int_0^1T-Udt=\int_0^1 \biggl(\frac{1}{2}m(v_x^2+v_y^2)-mgy(t)\biggl)dt}

となり、現実に自然界で起こる運動、放物線の場合に、無理矢理運動させた全場合より、この作用が、最小になるというのだ。このラグランジアンの定義は、実際の運動が最小になるように、カンニングしたように思えるかも知れないが、ある決まった方法で、ラグランジアンを作ると、いつでも、実際に起こる場合の作用が、最小になり、決していい加減なことをしているわけでは、ないことが、追い追い分かってくることだろう」

麻友「そうなんだ。その例は、次回、見せて欲しいわ」

私「分かった」

若菜・結弦「じゃあ、おやすみなさーい」

私「おやすみ」

麻友「おやすみ」

 現在2022年1月22日23時11分である。おしまい。